一般質問パート2 小坂よしひさ


2月22日に行われました一般質問(小坂義久議員)の続きです。

 

三 台東病院について

次の2点について区長の所見を伺う。

① 本年5月に、浅草病院が新築移転して開院する予定であるが、新病院は診療内容を拡充し、「ぐる~り めぐりん」による利便性も高い。このような状況により、台東病院の来院数や利用率にどのような影響があると考えるか。

また、さらなる利用率の向上にどのように取り組んでいくのか、併せて伺う。

② 千代田区は、地域包括ケアシステムの実現に向け、「高齢者サポートセンター」を昨年11月に九段坂病院との合築により開設し、本施設は、高齢者が集う拠点としての役割を担っている。台東病院こそ、高齢者をサポートする総合センターの役割を担うべきと考えるが、どうか。

 

<区長答弁>

浅草病院が現在の場所から移転して、本年5月に新病院として開設することから、台東病院へも少なからず影響があるものと考える。浅草病院は主に急性期医療を担う二次救急医療機関であり、一方、台東病院は主に高齢者の慢性期医療を担う拠点として整備したものです。

今後、両病院が連携を強化することで、区内の医療体制のさらなる充実が図られるものと考える。

台東病院の利用率向上に向けた取組みについて

台東病院の運営状況については、年々、外来患者数や病床利用率が増加しており、「台東病院等運営協議会」においても評価されている。今後とも、区民が利用しやすい病院を目指して、地域の医療機関との連携強化や、訪問リハビリテーションの充実などに取り組みながら、安定的な運営に努めていく。

高齢者のサポートについて

「老人保健施設 千束」を併設し、高齢者の慢性疾患への対応と在宅復帰に向けた支援を一体的に行っています。

また、昨年2月からは、区の在宅療養支援窓口を病院内に設置し、在宅療養における医療面を中心とした相談にも応じている。今後は、地域包括支援センターや医療・介護関係者と連携しながら、高齢者が住み慣れた地域で安心して生活できるよう、在宅療養の支援機能の強化等に取り組む。

 

 

四、既存建築物に対する支援について

次の2点について区長の所見を伺う。

① 豊島区では、遊休不動産と潜在的な地域資源の活用による、民間が補助金に頼らないまちづくりに取り組んでいる。本区においても、このような取組みを参考に総合的な視点から、既存の建築ストックを活用したまちづくりを推進すべきと考えるが、どうか。

② 東京都の調査により、マンションの老朽化と居住者の高齢化という2つの課題が明らかになった。共同住宅の割合が高い本区においては、適正な維持管理の促進や老朽マンションの円滑な再生を図ることが必要と考える。本区におけるマンション施策の基本的な考え方と今後の方向性について伺う。

 

<区長答弁>

建築ストックの活用について

区民ニーズを反映しつつ、安全で安心なまちづくりや産業振興などの観点から、既存建築物の改修を支援してきた。また、リノベーション意識の高まりを受け、建築物の良質な改修を促進するために、区内の専門家を対象とした講習会を開催するなど、啓発活動にも力を入れている。議員ご提案の、まちづくりの取組みについては、私も民間と行政との新たな協働の手法として注視している。

今後は、先行自治体における事業の実績や、効果に関する情報を収集するなど、当該手法について研究していく。

マンション施策について

住宅におけるマンション等共同住宅の割合は高く、また、建物の老朽化と居住者の高齢化が進んでいくことから、建物の適正な維持管理を働きかけていくことは重要であると認識をしています。

台東区住宅マスタープランでは、「良質な住宅ストックの継承と快適に暮らせる住まいづくり」を基本にマンション施策を実施しています。この計画を受け、昨年8月以降、新たに「マンション管理・修繕相談員派遣」や「マンション理事長等連絡会」などを実施し、マンション管理組合等へ積極的に働きかけを行っているところです。

現在、東京都は、マンション施策に関し、総合的な計画を策定中であり、その中で、老朽マンション等の再生という新たな視点も示されている。今後、本区は、この計画を踏まえ、都と連携し、施策を進めていく。

 

五、旧坂本小学校跡地活用について

校舎の老朽化や耐震補強が喫緊の課題である旧坂本小学校の活用について、現在、区は「大学誘致」をたたき台として地域住民に提案している。しかし、地域住民からは様々な意見が出ており、活用の方向性を取りまとめることは難しいと考える。

そこで、これまでの検討方法を見直す必要があると考えるがどうか、区長の所見を伺う。

 

<区長答弁>

本用地については、校舎の老朽度や耐震への対応を考慮すると、可能な限り早急に活用案を取りまとめる必要があるため、「公募による大学誘致」をたたき台として周辺町会等に提案し、その効果などについて説明をしているところです。その中で、議員ご指摘の通り、様々な意見をいただいている。

大規模用地の活用については、地域の皆様にご理解いただくことが不可欠であると考えている。

そこで、これまでの検討を踏まえ、避難所の確保や民間活力の導入などの前提条件をお示ししながら、区の考えを主体的に取りまとめるとともに、改めて、今後の検討の進め方について、地域と協議を行っていく。

 

六、「鶯谷駅」周辺のまちづくりについて

上野「文化の杜」新構想や国立西洋美術館の世界文化遺産登録への取組みなど、2020年に向けて、上野は盛り上がりを迎えようとしている。また、谷中や根岸は、今も、江戸の風情や情緒が息づいており、さらに、朝倉彫塑館、書道博物館など、明治時代のロマンも感じる地域である。

そこで、鶯谷駅周辺のまちづくりについて、上野、谷中、根岸と浅草をつなぐ起点としての視点など、様々な視点から議論し、取り組むべきと考えるがどうか、区長の所見を伺う。

 

<区長答弁>

鶯谷駅周辺では、地域の課題解決に向けた取組みを行うため、平成18年にまちづくり協議会が設立されました。区では、協議会からの提案を踏まえ、「寛永寺 陸橋下 自転車駐車場」や「凌雲橋エレベーター」の整備など、まちづくりを進めてきた。議員ご指摘のように、国立西洋美術館の世界遺産登録への取組みや2020年に向けての上野公園を取り巻く様々な動きなど、私も、鶯谷駅周辺を取り巻くまちづくりの状況に変化が生じていると認識をしている。今後も、このような変化を捉えながら、鶯谷駅周辺のまちづくりについて、地域の方々と相談して積極的に進めていきたいと考える。