令和元年第2回定例会一般質問 中沢ふみお


令和元年第2回定例会一般質問

台東区議会公明党の中沢ふみおです。令和元年第二回定例会において、会派を代表して一般質問をさせて頂きます。
私から、水害対策について、高齢者ふれあい入浴券の通年利用について、商店街支援について、浅草駅の利便性向上について、通学路の安全対策についての5点にわたり質問いたします。
区長、教育長におかれましては、是非とも前向きな御答弁を宜しくお願い致します。
それでは質問に入らせて頂きます。
①最初に水害対策についてお伺い致します。
5月31日付の都政新聞で次のような指摘がありました、「6月1日から集中豪雨や洪水が起こりやすい「出水期」に入ることに備え、各区が水害ハザードマップの改定に乗り出していること。昨年7月に発生した西日本豪雨や23区内での集中豪雨を受け、水害の被害想定を「見える化」し、区民の自助を促すことの必要性。台風による豪雨や高潮などの水害は、地震と異なり発生が予測可能な災害であること。都内では1947年のカスリーン台風以降、大規模水害は発生していないため住民の危機意識が低く、どのように意識を高めるかが課題となっている。」ことなど列記されていました。
また、国は今年5月28日に各自治体に対し、「出水期の防災体制の強化を求める通知」「災害発生の恐れがある場所の周知徹底」並びに「住民の主体的な避難行動の支援」などを求めております。
先月発表された「東京マイ・タイムライン」によると
過去に東京で起こった水害の被害状況は、大正6年10月の台風では、中央区銀座付近の高潮浸水により、死傷者1,524名、浸水被害は約18万棟、昭和22年9月のカスリーン台風では、葛飾区亀有駅周辺での浸水状況は、死傷者11名、浸水被害約12万棟、昭和24年8月のキティ台風では、江戸川区平井駅周辺の高潮浸水では、死傷者122名、浸水被害約14万棟。昭和56年7月の豪雨では、新宿区内の神田川で浸水被害13,662棟。平成5年8月の台風11号では、東京メトロ赤坂見附駅構内が浸水、浸水被害は7,533棟など東京都内でもこれまで、水害について多くの被害が発生しております。
東京都では、河川の氾濫に対する取組として、川幅を広げたり、河床を掘り下げる「河道整備」や、増水した水を貯留することで氾濫を防ぐための「調節池」などの整備を進め、また、高潮に対する取組として、防潮堤・水門やスーパー堤防等の整備などを進めており、これらの取組により被害は減少してきております。
しかしながら、近年では地球温暖化現象の影響ともいわれる記録的な豪雨が頻発しており、1時間に50ミリを超える雨量が増加する傾向にあります。近年、全国で大規模な水害が発生しており、残念ながら、多大な被害状況の報道が増えてまいりました。そのため、水害に対する取組は重要であると考えております。
これまで私は水害について度々質問をしてまいりました。
以前の答弁の中で、避難方法として大規模・広域避難については、国、都と協議を重ねているとの事でしたが、区民の命と財産を守るため、今後もしっかりと進めていって頂きたいことを改めて要望しつつ、質問に入ります。

最初に想定浸水深の標示について伺います。
国土交通省が作成した「まるごとまちごとハザードマップ」の目的は、想定される浸水の様子をまちなかで「見える化」していくという事です。
一つには、洪水ハザードマップの更なる普及と周知、及び住民への水害に対する危機意識の醸成と避難所等の認知度の向上を図ること。
2つには、浸水深や避難所等に関する情報を水害関連標識として生活空間である「まちなか」に表示することにより、日ごろから水害による防災の意識を高めるとともに浸水深また避難所等の知識の普及を図り、発災時には命を守るための住民の主体的な避難行動を促し、被害を最小限にとどめることであります。
葛飾区では、電柱の目線あたりに浸水深を表す標識を設置し、危険性が実感できるように想定水位の高さに赤いラインで、洪水時の水位をわかりやすく示しております。
そこで、昨今の豪雨の状況を考えると、台東区においても、電信柱や区有施設、例えば区民館や生涯学習センター等に想定浸水深の標示を行い、水害に対する意識の向上を図ることが重要であると考えます。
区長のご所見をお伺い致します。

次に「防災ブック」ついて質問致します。
台東区水害ハザードマップでは、荒川の外水氾濫と豪雨による神田川および内水氾濫の場合が想定されております。
本区の浸水の状況は、まず荒川が氾濫した場合、最も深い浸水は5m程度と予測されています。浸水した場合は2週間以上水につかることが想定されます。そのため、マンションなど集合住宅にお住いの方も、孤立する恐れがありますので「洪水時の避難場所」や「洪水時の避難所」に避難してくださいと表記しております。
また、神田川および内水氾濫等の場合、最も深い浸水は2m程度と予測され、数時間で水が引くことが想定されますので、頑丈な2階以上の自宅や建物に避難してくださいと表記されております。浸水の深さ、水が引くまでの時間、避難方法などがそれぞれ変わってきます。
台東区水害ハザードマップは地図上のものですので、普段から家庭や職場、学校などで活用いただく事と思いますが、いざという時にどのように避難するのか、家族・友人の連絡方法などを含め具体的に、共有できることが重要です。そこで、これらの避難行動をまとめた「防災ブック・水害編」を作成し、区民のみなさまに、周知をしていく事が重要だと考えます。
区長のご所見をお伺い致します。

2点目に「マイ・タイムライン」についてお伺い致します。
私は、昨年の9月に茨城県守谷市で開催された、国土交通省 下館河川事務所主催の「お天気キャスターとつくろうマイ・タイムライン」の講座に、どのように進めていくのか知りたく参加しました。
この講演の内容では、避難するときには、長靴は、雨水が入ってしまい歩きにくくなるため、スニーカー等の動きやすい靴を履く、またマンホール等が外れている事が考えられるため、傘など長いものを持ち、足元を確認しながら避難をする、その際は、両手が使えるように、持ち出す物はリュック等に入れ、背負えるものを非常袋に活用する事などを具体的な対処の方法について知る事が出来ました、内容も充実しており、非常に勉強になりました。
ここで、下館河川事務所が取り組んでいる「みんなでタイムラインプロジェクト」について紹介致します。
昨今、天候も長期予報などが、正確性の高いものとなっており、台風による豪雨など事前に認識しやすい環境が整ってまいりました。
「マイ・タイムラインとは、住民一人ひとりが、台風の接近によって河川の水位が上昇するなどの情報を注視し、それぞれ個人がとるべき標準的な防災行動を時系列的に整理し、とりまとめるもので、時間的な制約が厳しい洪水発生時に、行動のチェックリストとして、また判断のサポートツールとして活用することで、「逃げ遅れゼロ」に向けた効果が期待される。」としています。
また、下館河川事務所では、小中学生向けマイ・タイムライン検討ツール「逃げキッド」を作成し学校の授業や防災教育などで活用しております。
ちなみに、逃げキッドの名前のキッドという意味には、
1.道具一式2.子供3.常総地域の茨城弁で、「そうすっど!」「そうしよう」という意味の方言、この3つの意味から成り立っているそうです。
中身ですが、3段階に設定されています。最初にチェックシートで、住んでいる場所の浸水の深さと時間、また家庭の状況として、ペットや常用している薬、避難に支援が必要な家族、親戚などの避難時の受け入れてくれる先、などの確認を行います。次に「台風が発生」してから「川が氾濫」するまでの状況と、準備すべき内容を学び、そのうえで「マイ・タイムライン」を段階的に作成するという防災教育を実施しております。
私もこの「逃げキッド」を使ってマイ・タイムラインを作成しました、小中学生向けとはなっておりますが、大人でも十分活用できる内容であります。
また、下館河川事務所では、住民の方にマイ・タイムライン作成のサポートする活動が出来る人を認定する、「マイ・タイムラインリーダー認定制度」を設け、普及活動を行う取り組みを行っております。

台東区では、小中学校において、東京都が作成した「東京マイ・タイムライン」を活用し、概要を説明した上で、「東京マイ・タイムライン」の作成キットを配布し、各家庭で作成を行う予定になっているとお聞きしております。
「東京マイ・タイムライン」は、小学校1年生から3年生用、4年生から6年生用、中学校用、高等学校用とそれぞれ年代に合った工夫もされているようです。
この「マイ・タイムライン」の推進方法として、例えば、講座等を開催し、水害の知識を学びながら、防災意識を高めて行く事も大切であります。
そこで水害時の避難行動を確認するため、個人が「マイ・タイムライン」を作成することが重要であると考えます。
区長のご所見をお伺い致します。

区長答弁

中澤議員のご質問にお答え致します。
ご質問の第一は、水害についてです。
まず、想定浸水深の標示についてです。
水害に対する
区民の防災意識を高めることは、私も重要であると認識をしています。
「想定浸水深」の標示については、区民が日々の生活の中で、水害の危険性を実感できる効果があると考えており、今後、他自治体の設置状況や標示事例などを研究して参ります。
次に、「防災ブック」の作成についてです。
区では、「水害ハザードマップ」を作成し、全世帯へ配布するなど、水害時の浸水状況や避難方法などの周知に努めています。
議員ご提案の「防災ブック」の作成は、防災や防犯への対処方法をまとめた「安全・安心ハンドブック」の来年度の改訂に合わせて検討して参ります。
次に「マイ・タイムライン」についてです。
水害に備え、事前に避難までのとるべき行動をまとめておく「マイ・タイムライン」の作成は、大変有効であると考えます。
区では、水害時に地域が自立的かつ安全に避難行動を行う「コミュニティ防災」を構築して参ります。
この取組の中で、避難時における地域の支援の在り方に加え、個人が取るべき行動も検討する予定です。
今後は、この検討結果を、「マイ・タイムライン」の普及啓発に反映し、水害時の減災対策を進めて参ります。

 

②次に高齢者ふれあい入浴券の通年利用についてお伺い致します。

「高齢者ふれあい入浴券」については、4年前、立候補した時から、枚数を増やして欲しいまた、利用しやすい期間にしてほしい、と多くの方から、ご要望を頂きました。そのご要望にお答えするため、一般質問も致しました。
皆さま、入浴券を利用して、銭湯で、コミュニケーションを図りながら、楽しく、健康に過ごされております。入浴券の枚数を増やし、利用期間を見直す事により、健康促進につながり、正にフレイル予防につながるものと確信しております。それでは質問に入ります。
現在発行されている「高齢者ふれあい入浴券」は65歳以上の「ひとり暮らしの高齢者または高齢者のみの世帯の方でご希望される方へ、公衆浴場の利用を通じた、高齢者の方と地域とのふれあい交流促進の一助として、区内の公衆浴場を1回につき50円の自己負担で利用できる入浴券を配布しております。配布枚数は20枚、利用期間を7月1日から3月31日まで、となっております。
公衆浴場は、高齢者にとって憩いの場であり、様々な世代との交流の場の一つであります。そこで、現在7月から利用できる入浴券の利用時期を変更し4月から年間を通して利用できるよう制度の見直しが必要であると考えますが、いかがでしょうか。
区長のご所見をお伺い致します。

区長答弁

ご質問の第二は、高齢者ふれあい入浴券の通年利用についてです。
高齢者ふれあい入浴券は、公衆浴場の利用を通じて、健康の保持のみならず、地域との交流促進を図ることで、ひとり暮らしの高齢者等の閉じこもりの防止などを目的に配布しています。
そのため、多くの高齢者にご利用頂けるよう、周知方法の工夫や 利用期間の延長など、利用促進の延長など、利用促進のための改善を図ってきたところです。
議員ご提案の
入浴券の通年利用につきましては、更に利用し易くなるものと考えますので、実施に向けて検討して参ります。

 

③3点目に商店街支援についてお伺い致します。
台東区商店街事業は、商店街外国人観光客おもてなし支援事業、商店街街路灯等電灯料補助事業など、31年度現在12の支援事業を行っております。台東区内には109の商店街があります。各商店街、協力し合いながら、商店街の活性化に向けて努力されています。過日、商店街の方から要望があり、区に確認したところ、まだ現状ではすぐに対応するのは難しいということでした。確かに何にでも対応すべきという事ではありませんが、商店街は、区民の一番、身近なところで生活の支えでもあり、お互いに顔の見える大切な地域の拠点であります。その点からも商店街支援については、支援後の活用状況などを確認するとともに、商店街の方々から様々ご意見等を聴きながら、商店街の活性化を進めていくべきではないかと考えます。
区長のご所見をお伺い致します。

区長答弁

ご質問の第三は、商店街支援についてです。
商店街が区の支援を活用し、事業を実施する際は、計画段階における相談だけでなく、実施後も職員や、アドバイザーが、取り組み後の状況や新たな課題なども伺いながら、必要に応じて適切に指導・助言を行っています。
引き続き、商店街の更なる活性化に向けて、それぞれの課題等に即した適切な支援制度のご案内を行うなど、商店街に寄り添ったきめ細やかな支援を実施して参ります。

 

④4点目に浅草駅の利便性向上についてお伺い致します。
大正時代の東京は路面電車が主要な交通機関で、渋滞による遅延が頻発しており、常に超満員の状態であったようです。1927年(昭和2年)12月に東京地下鉄道の浅草駅が開業、開通初日は始発前から乗客が各駅に殺到して約10万人が利用したとのことです。
地下鉄が開業した4年後の1931年(昭和6年)5月に、東武鉄道の駅が、浅草雷門駅として開業。
1960年(昭和35年)12月都営地下鉄1号線の駅が開業当初計画では浅草駅は存在せず、浅草橋から駒形を経由して押上に向かう予定でしたが、利便性を考慮して駒形駅を北に移動し浅草駅、蔵前駅・本所吾妻橋駅が設置されました。
2005年(平成17年)8月に開業したつくばエキスプレス浅草駅は、東武鉄道・東京メトロ浅草駅からおよそ600m、都営地下鉄浅草駅からはおよそ800mの位置にあります。

台東区都市計画マスタープランの道路・交通まちづくり方針では、交通結節機能の充実の中で「浅草駅及び駅周辺については、鉄道事業者、関係機関等との連携により、ターミナル機能の向上を図る。また各交通機関を相互に結ぶ動線の整備、バリアフリー化、交通広場の整備など、国際観光都市にふさわしい環境整備を推進する。」
とあります。
このマスタープランは概ね20年後の台東区のまちづくりの将来像として策定されました。

今後はマスタープランにより、ターミナル機能の向上を図るとの事ですが、東京2020大会目前の現在はどのような状況でしょうか。浅草に観光に来られている来街者の方を見ていると、大きな荷物を持ちながら、駅の出入口を降り、しばらくすると上ってくる、そして左右を見ながら、携帯端末を確認しつつ、目的の路線の出入口へ向かって行く姿を良く目にします。また駅の入口はどこなのかを聞かれることも少なくありません。
この様に多くの来街者を受け入れるまちであるにも関わらず、依然として、目的の駅の入口が分かりにくい状況では、「おもてなし」が行き届いているとは思えません。
今後は浅草地域全体の回遊性も視野に入れた各駅への動線を分かりやすく明示していく事が大切になってまいります。
浅草の魅力が高まり、来街者がこれからも増えることにあわせ、浅草駅の乗り換えや交通連結機能について、より充実すべきと考えますがいかがでしょうか。
区長のご所見をお伺い致します。

区長答弁

ご質問の第4は、浅草駅の利便性向上ついてです。
区では、本年3月に策定した「都市計画マスタープラン」において、
国際観光都市 浅草にふさわしいまちづくりを推進するため、浅草駅のターミナル性向上をはじめ、乗り換えや、交通結節機能の充実などを掲げているところです。
現在も、鉄道事業者を中心に、案内表示やバリアフリー化の充実などを進めておりますが、
今後は、区や鉄道事業者、関係機関などとの協議の上、整備方針を定める必要があると考えています。
引き続き、鉄道事業者などとの勉強会や、必要な調査を行い、来街者へのおもてなしや利便性の向上に努めて参ります。

 

⑤最後に通学路の安全対策についてお伺いいたします。
川崎市登戸で痛ましい事件が発生してしまいました。ご遺族の皆様には心からお悔やみを申し上げます、とともに被害を受けられた皆さまの、一日も早い回復を心よりお祈り致します。
台東区においては、教職員の方々、保護者の方々、また地域の方々により、日頃から子ども達の安全安心のために、見守り運動にご協力いただいておりますことに改めて感謝申し上げます。
しかし、昨今の相次ぐ事件の状況を見ておりますと、子ども達を不審者から守る対策が重要であると考えます。
台東区では子ども達の犯罪被害防止を目的とした「子どもの安全」巡回パトロールを行っております。
川崎市登戸の事件発生の当日には、青色回転灯付きパトロール車による小学校の登下校時間帯を中心とした巡回の強化を速やかに行い、
また、日頃から警察からの不審者情報等の提供があった場合は、発生場所を中心とした巡回を行うなど、臨機応変な対応で、子ども達の安全安心の確保に努めていると聞いております。
そこで通学路の安全確保、不審者情報の共有化等、子ども達を守る安全対策が重要であると考えます。
教育長のご所見をお伺いいたします。

教育長答弁

中澤議員の通学路の安全対策についてのご質問にお答えをさせていただきます。
通学路の安全対策につきましては、私も、大変重要なことと認識をしております。
教育委員会では、学校安全ボランティアや保護者、地域の方々、子どもの安全巡回パトロールによる見守り、防犯カメラの設置や防犯ブザーの貸与、「子ども安全の日」を設置し、一斉下校を行うなど、様々な対策に取り組んでおります。
昨年9月には、小学校における通学路や学校からこどもクラブ及び児童館までの経路について、防犯の観点による合同点検を実施いたしました。
その結果必要とされた対策として
警察官によるパト
ロールやこども110番の取り組みの強化、児童への安全指導の徹底などを行ったところであります。
また、不審者情報の共有化につきましては、警察や学校・園から情報を提供いただき、速やかに小中学校、幼稚園、保育園、認定こども園、こどもクラブ等に周知
ております。
教育委員会といたしましては、今後も関係機関との連携を強化し、引き続き、子供を守る安全対策に努めてまいります。

以上で私の一般質問を終わります。
ご清聴誠にありがとうございました。