台東区議会自由民主党の松村智成議員が9月20日の令和5年第3回定例会において、「LGBT理解増進法の台東区での教育現場における扱いについて」一般質問を行いましたが、発言の中でLGBTに関する理解が不十分であり、配慮に欠ける部分があったことについて、公明党会派としての見解をお伝えしたいと思います。
公明党では2016年にこれまで設置されていた「性同一性障害に関するプロジェクトチーム(PT)」を改編する形で、「性的指向と性自認に関するPT」を設置。当事者や経済界などから意見を聴取し、議論を重ね、東京都本部では研修会、区議団では当事者様のヒアリング等重ねてまいりました。国会においては、性の多様性に関する国民の理解を広げるため、性的少数者への差別や偏見をなくし、不適切な取扱いを解消するための取り組みとして、「LGBTなど性的少数者への理解増進法(議員立法)」の必要性を一貫して訴え、成立への合意形成を後押しして参りました。
一方台東区では、「台東区男女平等推進基本条例」
https://www.city.taito.lg.jp/…/danjobyodo/2701jyourei.html
を2015年に議員提案条例として、全議員全会一致で制定し、条例で明記されているように、「性と生殖に関する健康と理解を認め合うこと」「教育の場において男女平等意識の形成の取り組みが行われること」などが推進されて参りました。
今回松村議員が一般質問内で主張された「男性や女性の特徴を軽視するような教育を行っては児童が混乱する」という発言や「同性愛へ『誘導』」という言葉、また「日本には性的マイノリティーに属する人が3〜10%いると言われるが私の周辺の方から聞いて感じている様子と大きな隔たりがある」という言葉は、出生児に割り当てられた性別の通りにジェンダーアイデンティティが一致しない人がいるという視点、また性的指向は個人の意志で選び取れるものではないという理解が不足している点があります。また社会生活の中で、ジェンダーアイデンティティであるということを他者に伝えることがそもそも困難であるということについての認識が欠けていると考えます。
今回のことについて、性の多様性に関して社会全体が、まだまだ理解が不十分な中であり、今後もお互いの違いについてまず「知ろうとする」姿勢が大切で、今後も議会内での勉強会を開くなど真摯に取り組んでいくべき課題であると考えます。
私たち台東区議会公明党といたしましては、性的指向およびジェンダーアイデンティティを理由とする不当な差別を受けることは決してあってはならないと考えます。
全ての方々がお互いの人権や尊厳を認め合い、お互いの存在を大切に思い、一人一人が生き生きと自分らしい人生を送ることができる共生社会の実現に向け、区民に寄り添い、声を伺いながら、全力で取り組んで参ります。
台東区議会公明党 2023年10月16日