平成26年決算特別委員会 総括質問 10月20日


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小菅 千保子 議員

  1. 児童虐待防止につながる妊婦支援について
  2. 文化観光施策の推進について
    ①妊娠相談窓口の案内カードの作成について
    ②妊婦さんに向けたメルマガ配信サービスの実施について
    ③実学「健康教育」として妊娠出産・子育てについての授業実施について
  3. がん対策について
    ①胃がん予防のためのピロリ菌検査などの導入について
    ②小中学校で「いのちを守る授業」の実施拡充について
  4. 児童の安全安心の登下校時の通知メールシステムについて

1.本区における財政指標について

Q.
平成 25 年度決算において、財政構造の弾力性を判断する指標である経常収支比率は若干改善しているものの、依然、弾力性が低い状態が続いている。一方で、実質収支比率では余力があると思われる。
平成27 年度は、国や都の補助金を確保するなどし、区民生活の向上を目指した、魅力ある施策に取り組んでいく必要がある。
そこで、経常収支比率の弾力性向上を図る財政運営に取り組んでいくべきと考えるがどうか、区長の所見を伺う。

A.【区長答弁】
財政の弾力性を示す指標である経常収支比率は、特別区税の増収などにより、前年度より改善はしているが、他区と比較すると高い水準となっている。これは、生活保護などの扶助費が10年前と比較して約1.5倍となるなど、歳出全体に占める経常的な経費の割合が高くなっていることによるものである。
こうした状況の中、平成27年度予算編成においても、引き続き、区民生活に必要な事業に積極的に取り組むため、収入確保や、行政評価による事務事業の見直しなどの取り組みを通じて必要な財源を確保し、区民サービスの向上に努めていく。

2.児童虐待防止につながる妊婦支援について

Q.
①国の検証によれば、児童虐待で死亡した新生児の7割が「望まない妊娠」であった。様々な要因で望まない妊娠に至ってしまった場合の支援策を早急に講じる必要があると考える。
そこで、「妊娠相談窓口の呼びかけ案内カード」を作成すべきと考えるがどうか、区長の所見を伺う。

②妊娠期の不安や疑問などを解決しようと民間企業で開発されたメルマガ配信サー ビスがある。若い世代が、より安心して出産に臨むことができる環境を整備する観点から、本区においても、妊婦向けメルマガ配信サービスを実施すべきと考えるが どうか、区長の所見を伺う。

③教育現場においても、健康教育を通して、妊娠出産・子育てなどの正しい知識を学ぶ教育が重要であると考えるがどうか、教育長の所見を伺う。

A.【区長答弁】
①妊娠相談窓口の案内カードの作成について
望まない妊娠が児童虐待の大きな要因となっており、悩みや不安を抱える妊婦への支援は、国及び東京都において重要課題として位置づけられている。
本区においても、本年10月から、妊娠届出時に妊婦へのアンケートを行い、産前から支援する取り組みを開始した。
また、都が本年7月から開設した、電話やメールで専門職が相談に応じる「妊娠相談ホットライン」ご利用いただくよう周知しているところである。妊娠相談窓口の案内カードについては、都と連携しながら作成し、保健所、保健相談センター、子ども家庭支援センターや区の施設の窓口などに置くことにより、「妊娠相談ホットライン」の周知を図っていく。

②妊婦向けメルマガ配信サービスについて
現在、本区で実施している「子育てメールマガジン」を通じて、妊娠期または子育て中の方ヘ、ハローベビー学級、乳幼児健診や子育てママの健診、また、子どもの予防接種など、幅広い事業のご案内をしている。
妊娠などで悩みや不安を抱えている妊婦や若い妊婦世帯には、適切な情報をお届けし、孤立せず安心して出産に臨めるよう支援していくことが大切であると認識している。そのためにも、現行の「子育てメールマガジン」を活用し、妊婦やその世帯に必要な情報をこれまで以上に充実し、発信していく。

A.【教育長答弁】
③実学「健康教育」として妊娠出産・子育てについての授業実施について
妊娠出産・子育ての授業については、現在、全ての小中学校で理科や保健、総合的な学習の時間などを通し、妊娠や新しい命に対する尊さを学ぶ学習を進めている。
また、教育委員会では、学びのキャンパスプランニング事業のプログラムに助産師会の方々を招き、保護者の方々から出産の喜びや苦労について話していただいたりする機会を設け、より実学的で効果的な指導を展開している。
今後ともより一層、関係機関との連携を深めながら推進していく。

3.がん対策について

Q.
①胃がんの98% は、ピロリ菌で発生することが明らかになっている。WHOの国際がん研究機関は、胃がん予防のため、スクリーニング検査と除菌を組み合わせた対策を図ることを勧める報告書を発表した。 バリウムを飲むX 線検査に比べ、リスク検診は負担が軽く、受診率がアップした自治体もある。本区においても、ピロリ菌検査と内視鏡検査を組み合わせたリスク検診を導入すべきと考えるがどうか、区長の所見を伺う。

②がんや生活習慣病などを予防するために、小学生から知識を理解することが重要で ある。そこで、区内の小中学校において「いのちを守る授業」をさらに拡充すべきと考えるがどうか、教育長の所見を伺う。

A.【区長答弁】
①胃がん予防のためのピロリ菌検査などの導入について
ピロリ菌検査と内視鏡検査については、胃がんになりやすいリスクの分類や、受診者の負担軽減などの点で注目されていると認識している。
本区においては、国の指針に基づき、胃のエックス線撮影による胃がん検診を実施している 。
現在、国が胃がん検診ガイドラインについて研究班を設置し、その有効性や実施方法等についての見直しを含め、検討している。
今後とも、国の動向を注視するとともに、胃がん検診の受診率の向上に向けて、より一層、取り組んでいく。

A.【教育長答弁】
②小中学校で「いのちを守る授業」の実施拡充について
学校教育において、がんについての理解は重要な課題であり、健康に関する基礎的な知識を指導することは必要である。
現在、全ての小中学校では、保健の授業において、生活習慣病やがんについての原因や予防などについて指導を行っている。
教育委員会としても、がん対策推進基本計画の趣旨を踏まえ、病気についての正しい理解と共に、規則正しい生活習慣の必要性や、検診の大切さについての指導を充実させながら、いのちを守る指導を展開していく。

4.児童の安全安心の登下校時の通知メールシステムについて

Q.
現在、区内の小学校ではPTAが民間事業者の無料のメールシステムを活用し、児童の登 下校時間を保護者に知らせる取り組みを行っており、安全安心に役立っている。
しかし、このシステムは来年度から有料になり、PTA からはせっかくの安全安心対策を 継続していきたいとの強い要望も聞く。そこで、この取り組みを継続させていくために、区として支援していくべきと考えるがどうか、教育長の所見を伺う。

A.【教育長答弁】
児童生徒の登下校時の安全対策については、学校における安全教育をはじめ、防犯ブザーの貸与、学校安全ボランティア、こども110番、通学路の安全の確保などを、PTAや地域のご協力をいただき、教育委員会として実施している。
区立小学校全校で、民間事業者が運営する無料の登下校時の通知メールシステムをP T Aの主体的な取り組みとして運用され、児童の安全 安心に寄与されていることは、教育委員会としても深く感謝している。
児童の安全安心は、教育委員会と学校、P T A 、地域が連携協力していくことで効果が上がるものと認識している。子どもの安全安心のために、このP T Aの取り組みも含め、どのような手法が有効か検討していきたい。