台東区議会公明党の中澤史夫でございます。
初めに、台風18号による記録的豪雨、土砂災害などで甚大な被害が伝えられております。被害にあわれた皆様へ心からお見舞い申し上げます。
私は区民の皆様から負託を受け早半年、その間多くの方から意見や要望を伺ってまいりました。
その一端をこの度会派を代表致しまして一般質問させて頂きます。並びに機会を与えて頂いた皆様に感謝致します。
さて、服部区長が所信表明で述べられた「躍進台東 新しい台東区」の実現に向け、また私が区民の皆様とお約束をさせて頂いた「安心の暮らしが見える、子どもたちの明るい未来が見える、賑わいの街が見える、たいとう見える化計画」を実現するため微力ではございますが、全力を尽くしてまいります。
区長、教育長におかれましては、是非前向きなご答弁をお願い致します。
それでは質問に入ります。
「マイナンバー制度」、浅草における観光バスの問題、放課後の子供たちの過ごし方、こどもクラブ等における配慮を要する児童への支援拡充について、動物愛護に関しての5点について質問をさせて頂きます。
まず「マイナンバー制度」についてお伺いいたします。
いよいよ10月から通知カードが各世帯に郵送されます。
我が国の場合、個人番号の利用は、法律で非常に厳しく制限されており、原則として、社会保障・税・災害対策の分野のみで利用が許されております。
実は個人番号をどの分野で活用するかについては、国においても、相当な議論があったようです。
アメリカのように、どの分野でも利用できれば非常に便利な反面、情報漏えいにより、個人番号を不正に利用される危険性も高まります。
一方、ドイツのように、税のみに絞って活用する事により、徴収強化や税務行政の効率化を図っているところもあります。
自分の番号を持つことに慣れない方が多い我が国の現状を踏まえた場合、当面社会保障、税、災害対策に利用を限定したことは、評価できると私は思います。
生活を便利にするマイナンバー制度ですが、課題もあると思います。
課題は、国民・区民に制度の理解が進んでいないことです。内閣府の調査によると「知らなかった」9.8%「内容は知らなかったが、言葉は聞いたことがある」46.8%合わせると過半数を超えています。
身分証明書や様々なサービスに利用できる個人番号カードは申請しなければ発行されません、この個人番号カードがないとマイナンバーを使う行政手続等を行うたびに身分証明書や個人番号を確認する書類が必要となります。
また、会社や企業においても法律に基づき税や社会保障の手続きにおいて、従業員の皆さんから個人番号の提出を受け、源泉徴収票や法定調査に記載のうえ、提出しなければなりません。
国においては、ホームページをはじめ、テレビコマーシャルや新聞広告なども積極的に行い、民間企業者の皆さんにマイナンバー制度導入の準備を促しております。
区や東京商工会議所でも、地元の企業の皆さんを対象に、マイナンバー対策セミナーを開催したり、無料窓口相談を行ったりしているようです。
しかし、マイナンバー制度自体が分かりにくい制度であるためか、制度開始が差し迫っているにもかかわらず、なかなか関心が深まってこないような実感があると思います。
区民や、会社・企業の方から、お話を伺っていると、未だに詳細を知らないでいる方が多いように思われます。
すでに区民に対して広報誌やホームページ、ポスターの掲示等様々な方法で周知を行っていると思いますが、これから更なる周知やサポートの方法、また漏えい防止対策など、周知徹底していく必要があります。
区民の皆様や事業者の方々の理解がなければ、制度の円滑な推進は難しいと考えられます。区民の安心のため、更なる周知や相談体制の強化をお願い致します。
そして、マイナンバー制度を適切に運用し、個人番号を有効に活用していくために不可欠となる「情報提供等記録開示システム」いわゆる「マイナポータル」という仕組みについてお伺い致します。
我が国におけるマイナンバー制度の特色として、導入に伴い、国民一人ひとりに自分専用のホームページである「マイナポータル」という仕組みが、インターネット上に新たに新設されることが挙げられます。
国が公表している資料によれば、政府はマイナポータルを、我が国におけるICT化推進の中核に据えようとしていることがわかります。
マイナポータルでは、「情報提供等記録表示」「自己情報表示」「お知らせ情報表示」の機能のほか、ワンストップサービスや電子私書箱、電子決済サービスにも利用できるようになる予定です。
「情報提供等記録表示」とは、自分自身の個人情報を、いつ、誰が、なぜ使用したのか確認できる機能であり、これまでの文書で行っていた情報開示請求が、インターネットを通じて行えるようになります。
この手法で自宅などから、国や自治体などの間で特定個人情報のやり取りの記録を閲覧できるようになり、個人番号の不正利用を防止することに役立つと考えられます。
また、「自己情報表示」とは、社会保険料や税額など国や自治体が持っている自分の情報を即時に確認できる機能です。
さらに、「お知らせ情報表示」とは、行政機関から、予防接種や年金、介護など一人ひとりにあったお知らせを確認する事が出来ます。
このほか、引越しなどのライフイベントに関する手続きについて官民横断的な電子申請を可能にするワンストップサービスなど、マイナポータルに多くの機能を付加しようとしております。
そこでお伺いたします。各種機能はいつから利用できるようになるのでしょうか。また「マイナポータル」は、パソコンやスマートフォンを通じてインターネット上で利用できる仕組みですが、パソコンなどを持たずインターネットへの接続ができない方に対して、どのような配慮を行ってくのでしょうか、区長のご所見をお伺い致します。
次に浅草における観光バスについて2点お伺い致します。これは喫緊の課題でございます、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、浅草のみならず上野、谷中を含む私たちの台東区は、東京観光の顔であり、わが国の文化を代表する都市の一つとしてその「おもてなし」に多くの期待が寄せられております。
しかしながら、浅草は押し寄せる観光バスの波と、地域の道路環境・生活環境の安全とがうまく両立しているとは言えません。そのようなことから、これまでも多くの先輩議員から大型観光バスの駐車場やバス乗降可能場所の増設など、様々な交通対策の提案がなされております。そのなかで私は、速やかに解決すべき課題は、バス乗降可能場所の増設にあると思っています。
現在設置している二天門付近の混雑緩和・道路環境の安全確保のため、また観光客の利便性を考慮し、浅草文化観光センターのある並木通りが乗降可能場所に相応しいと確信しています。
この並木通りは、都バスやめぐりん、はとバスのバス停として現在使われていますが、できる工夫、実現可能な協議を重ね困難を乗り越えてぜひ実現して頂きたいと思う次第です。
また浅草寺近辺にバス乗降可能場所と観光客用休憩場所の機能をもった施設の設置などハード面の整備を進めるべきと考えられますが、区長のご所見をお伺いいたします。
次に観光バスにおけるルールづくりについてです。
浅草地域の観光バス対策の基本計画策定に取り組まれているものと思いますが、観光バスのルールづくりとして、区内指定地域への大型観光バスの流入制限や乗降可能場所の利用許可制及びこれらの違反車両への罰則規定を盛り込んだ「台東区観光バス条例」の制定などソフト面でも検討してみてはいかがでしょうか。
この2点について区長のご所見をお伺いいたします。
次に、放課後の児童の過ごし方についてお伺い致します。
厚生労働省・文部科学省の放課後子ども総合プランの中で放課後子ども教室推進事業の趣旨は「すべての子供を対象として、安全・安心な子どもの活動拠点いわゆる居場所を設け、地域の方々の参画を得て、子供たちと共に勉強やスポーツ・文化活動、地域住民との交流活動等の取組を推進する」とあります。
趣旨・目的は「共働き家庭等の「小1の壁」を打破するとともに、次世代を担う人材を育成するため、全ての就学児童が放課後等を安全・安心に過ごし、多様な体験・活動を行うことができるよう、一体型を中心とした放課後児童クラブ及び放課後子ども教室の計画的な整備等を進める」としているのであります。
また、国全体の目標として、平成31年度末までに実施することを目指すとしています。
少子化や核家族化の進行、保護者の就労形態の多様化など、子どもを取り巻く環境が大きく変化しています。次世代を担う子ども達が放課後や休日により安全に安心して元気に活動できる場所を確保し、地域社会の中で心豊かに、健やかに成長していける環境づくりが必要だと考えます。
子どもの放課後対策では、現在こどもクラブや児童館、生活指導こども会である校庭開放を中心に取り組んでおります。児童館は子ども達が自由に行くことができる施設ですが地域によっては利用しにくい場所もあります。
子どもクラブは主に日中保護者が家庭にいない小学生に対して、授業の終了後に適切な遊びや生活の場を与え、児童の健全な育成を図る保育事業として行われておりますが待機児童などそれぞれ課題があります。
台東区では、児童の放課後の居場所として「わくわくタイム」の名称で行われている千束小学校放課後子ども教室と来年度に実施予定の石浜小学校で2校目になります。
この分野では本区は残念ですが他区に遅れていると思います。
思う存分自由に体を動かせる公園が少ない現状にあって、子ども達が校庭や体育館で体を動かし、教室で学習するなど学校を利用することで全生徒が通いなれた場所、又環境で過ごすことは、安全・安心の面からもとても良いことだと思います。
そして、学校と一体型、もしくは連携型の放課後児童クラブ・放課後子ども教室との密接な連携で、小学校の教員と放課後児童クラブ・放課後子ども教室の職員とが日常的・定期的に情報交換を行い、児童一人ひとりの状況を情報共有でき、きめ細かく対応することもできます。
また、学校だけでなく家庭とも密接に連携を図ることにより、保護者にとってこれほど安心して子ども達を預けられるところはありません。
すでに利用されている保護者の方々のご意見もしっかりお聞きしながら、公平平等の視点からも、全ての小学校で放課後子ども教室の実施をして頂きたいと考えます。
そのためにも早期に検証を実施し、方針を策定して頂きたいと思いますが教育長のご所見をお伺いいたします。
4点目にこどもクラブ等における配慮を要する児童への支援の拡充についてお伺い致します。
こどもクラブの職員の方々から、発達障害児や発達について気になる子どもたちが増えて来ているという現状についてお伺い致しました。
こどもクラブは一年生から低学年が中心で帰ってくる場所で元気な子ども達が多い事から、時には子ども同士のトラブルなどもあるようですが、その都度、子どもたちの状況に合わせた対応をしてくださっていると伺いました。
現在、巡回訪問は年に1回から2回行われているとの事ですが、やはり子ども達の健全な成長のためには、適切な対応と職員のスキルアップが不可欠であると考えます。
そこで、こどもクラブの巡回訪問の回数を増やし、職員対象の研修や相談体制の充実を図る必要があると考えられますが。区長のご所見をお伺いいたします。
最後に動物愛護に関して、2点お伺い致します。区民の皆様からも意見を頂いており、また公明党としても、犬猫殺処分0実現を目指し活動を展開しているところでございます。
さて東京都における殺処分数は犬、猫、ウサギ等、平成20年度で合計5,099頭、平成25年度では1,312頭と激減しております。
また、台東区内においては平成20年度59頭、平成24年度には32頭、平成25年度には3頭と、激減しております。しかしながら、殺処分0を達成したとする神奈川県動物保護センターや0達成へ非常な努力をされている自治体の報道もございます。
環境省の「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」では殺処分を減らしていくための対策として飼い主・国民の意識の向上、引き取り数の大幅な削減、引き取った犬猫の返還・譲渡を推進することにより不必要な殺処分を0とする。と訴えております。
台東区としても、これまで飼い主の意識の向上として犬のしつけ方教室の開催や、引き取り数の削減を目的とした飼い主のいない猫の不妊去勢手術費助成など、動物愛護の普及啓発と動物の適正管理の支援に取り組んでおり、一定の効果を上げているとお聞きしています。
しかしながら、飼い主の高齢化等に伴う引き取り頭数の増加も懸念されるところでございます。そこで、殺処分0達成に向けてさらなる努力が求められますが、これからの台東区としてどのように取り組んでいかれるのでしょうか。
次に、動物達と触れ合う機会を増やす事は、人と動物が幸せに暮らす社会の実現に大切だと考えております。そこで、隅田公園にあるペットコミュニティエリアですが、26年度開設から約1年間が経過致しました。現在利用されている状況と、今後の取り組みについて区長のご所見をお伺い致します。
以上5点について質問させていただきました。ご清聴ありがとうございました。