平成28年第3回定例会 一般質問要旨 寺田あきら


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平成28年9月16日 平成28年第3回定例会 一般質問要旨

質問項目

  1. 人情味あふれる支え合いのまちづくりについて
    (1)町会活性化の新たな支援
    (2)仮称「台東区地区総合防災会議」の発足とモデル地区の検証実施
  2. 文化観光施策の推進について
    (1)書道博物館を「公開承認施設」にするべき
    (2)世界遺産の新たな観覧機会
  3. 介護支援ボランティアポイント制度について
  4. チェックリストの採用や笑いの文化を活用した自殺予防対策の強化について
  5. 妊産婦さんに優しい環境づくりについて
    (1)「こども商品券」のめぐりんの利用について
    (2)マタニティハラスメント防止の事業者向け講習会や周知について

 

1. 人情味あふれる支え合いのまちづくりについて

次の2点について、区長の所見を伺う。

①町会組織の課題として、「役員の確保」「会員の高齢化」「加入率の低下」などが挙げられる。
 地域の世帯構成が変化する中、その状況に対応した町会運営のサポートや改善が急務であり、行政サービスや地域団体の紹介、ボランティア休暇制度を活用した町会支援などは有効であると考える。
 そこで、町会活動の推進のためにも、支援活動の紹介や、ケーブルテレビによる元気な町会の紹介など新たな支援を行う必要があると考えるが、どうか。

②さまざまな団体が避難所運営委員会を始めとした防災活動の場に参加し、交流を進めることができるよう、避難所運営委員会の代表者や各種団体が参加する「(仮称)台東区地区総合防災会議」を発足し、モデル地区を設けて検証してはどうか。

<区長答弁>
寺田議員のご質問にお答えいたします。

 ご質問の第一は、「支え合いのまちづくり」についてです。
 まず、町会活性化の新たな支援についてです。私は町会の皆様は区政を推進するうえで大切なパートナーであり、町会が活力を高められるよう支援していくことが重要であると考えております。そのため、平成26年には、町会の活動状況 及び 課題等を把握するためアンケート調査を行い、その結果に基づき、助成制度やその活用事例の紹介、「町会加入促進ハンドブック」の作成などの支援を実施して参りました。また、ケーブルテレビでは、町会が行っている地域イベントを多数、放映しているところです。
 私も、議員ご提案の、さまざまな支援活動に関する情報の提供や、積極的な町会活動の紹介などは、町会のさらなる活性化のために有効であると考えます。今後も、町会運営の一層の活性化に資するよう、町会の皆様のご意見をお伺いしながら、新たな支援策も含め、効果的な支援の充実に努めて参ります。

 次に、「(仮称)台東区地区総合防災会議」についてです。
 本区では、避難所ごとに指定された町会が協力して、避難所運営委員会を組織し、区と連携して、災害時の避難所運営のための会議や訓練を重ねています。
 委員会役員の皆様の意識は、高い水準にありますが、会議や訓練への参加者の裾野の拡大が課題の一つとなっています。避難所運営委員会が、地域のさまざまな団体と意見を交換することは、自助・共助を進めるうえで、大変有意義であると考えられます。今後、議員ご提案の趣旨も踏まえ、地域防災力向上のため、区民の皆様の交流が一層進むよう、積極的な働きかけに努めて参ります。

2. 文科観光施策の推進について

次の2点について、区長の所見を伺う。

①博物館や美術館において、重要文化財などを外部から借用して展示を行う際には、毎回、煩雑な事務作業を伴う文化庁の許可が必要とされている。
 しかしながら、「公開承認施設」として認定されれば、この手続が簡素化されるとともに、輸送費や応急修理費が支給される補助事業に申請することができ、何よりも、区民の方々が貴重な作品を鑑賞する機会が増えることとなる。
 そこで、今年、中村不折生誕150周年を迎え、更に注目が高まる書道博物館を「公開承認施設」にすべきと考えるが、どうか。

②私は、台東区民の方々が国立西洋美術館の世界遺産登録への一番の功労者であると考える。まだ、美術館をご覧になっていな区民の方が鑑賞するための、新たな取組みを行ってはどうか。

<区長答弁>
ご質問の第二は、文化観光施策の推進についてです。

 まず、「公開承認施設」についてです。
 私も、貴重な文化財は、大切に守り、後世に伝えていくと同時に、展示・公開により、多くの方々の理解と関心を高めていくことが重要であると考えております。
 現在、書道博物館で年1回実施している特別展では、他館から国宝や重要文化財を含む貴重な作品を借用し、多くの来館者にご覧いただいております。
「公開承認施設は」は、文化財の公開に適した施設として、あらかじめ、文化庁の承認を受けるもので、他館からの借用手続きの簡素化などにより、貴重な作品の一層の公開促進が期待できます。
 書道博物館の承認申請については、施設の環境整備などの課題も含め、研究してまいります。

 次に、国立西洋美術館の観覧についてです。
 7月17日に、国立西洋美術館が世界文化遺産に登録されました。私は、これまで活動を進められてきた地域の皆様のご尽力により、5月のイコモス勧告において「地元コミュニティの積極的な参画が認められている」との評価がなされたことに大きな意義があると認識しております。
したがって、世界遺産である国立西洋美術館の価値や登録の意義を知っていただくために、より多くの区民の皆様に見学していただくことが、重要であると考えております。
 区はこれまでも、区民講座や小・中学校の施設見学会など、さまざまな機会を設けて参りました。今後は、国立西洋美術館と連携して、さらに多くの区民の皆様に訪れていただけるよう、取組みを進めてまいります。

3. 介護支援ボランティアポイント制度について

 元気な高齢者が生活支援の担い手として活躍することにより、ご本人の生きがいや介護予防にもつながる取組みである本制度を、今こそ進めるべきと考える。
 区民が楽しんで積極的に参加できる「介護支援ボランティアポイント制度」について、区長の所見を伺う。

<区長答弁>
ご質問の第三は、介護支援ボランティアポイント制度についてです。

 本区では、高齢者施設での活動や、社会福祉協議会の在宅支援サービスなど、さまざまな場面でボランティアが活躍されています。
団塊の世代が75歳以上となる2025年に向け、ボランティアの必要性は、ますます高まっていくと認識しております。
そのため、「介護支援ボランティアポイント制度」の来年度の実施に向け、現在、本区の地域特性を踏まえた具体案を、社会福祉協議会と連携しながら検討しているところです。
 今後、この制度を通じて、ボランティアの意欲をさらに高めるとともに、さまざまな地域活動に参加する機会を増やすことで、高齢者の生きがいのある生活づくりを支援してまいります。

4. チェックリストの採用や笑いの文化を活用した自殺予防対策の強化について

 自殺予防対策について、本区では、「こころの健康相談」の案内や、職員や民生委員などを対象としたゲートキーパー研修の開催などを行っているが、以前ホームページに掲載されていた「心の健康度チェックリスト」は現在掲載されていない。
 また、庶民の文化である「笑い」を活用することで、日頃の疲れを癒やす事ができると考える。
 そこで、以前のような手軽に診断できるチェックリストのホームページへの掲載や、笑いの文化などを活用しながら、自殺予防対策の強化をすべきと考えるがどうか、区長の所見を伺う。

<区長答弁>
ご質問の第四は、自殺予防対策の強化についてです。

 区はこれまで、自殺予防対策の取組みとして「ゲートキーパー養成講座」や「自殺予防対策 連絡協議会」などを開催してまいりました。
さらに昨年度から、協議会のもとに新たな部会を設置し、救急医療機関との連携体制や自殺未遂者の支援体制を構築するなど、自殺未遂者に対する再発防止対策に取り組んでおります。
 ご質問の「心の健康度チェックリスト」についてはさらに使いやすい形で、今年度中には区公式ホームページに改めて掲載する予定です。
また、議員ご提案の「笑いの文化を活用する取組み」については、今後、心の健康づくりに関する後援会などに取り入れることを検討して参ります。

5. 妊産婦さんに優しい環境づくりについて

次の2点について、区長の所見を伺う。

①妊婦期からの切れ目のない子育て支援「ゆりかご・たいとう」事業において、1万円分の「こども商品券」を配布している。この商品券でめぐりんの乗車券をりようできるようにし、妊産婦が安心して出産・育児できるよう支援すべきと考えるが、どうか。

②事業者にマタニティハラスメント防止措置を義務付けた来年1月の法改正を受けて、事業者向けの講習会や周知活動を行うべきと考えるが、どうか。

<区長答弁>
ご質問の第五は、妊産婦さんに優しい環境づくりについてです。

 まず、「こども商品券」のめぐりん乗車券との交換についてです。本区では、育児不安を解消し虐待を予防するため、本年4月から、保健師が全ての妊婦と面接する「ゆりかご・たいとう」を開始し、さまざまな支援を行っています。
 「ゆりかご・たいとう」は、国及び東京都の補助事業であることなどから、面接の際にお渡ししている「こども商品券」のめぐりん乗車券との交換については、さまざまな課題がありますので、研究してまいります。

 次に、マタニティハラスメント防止に向けた事業者への取組についてです。
 妊産婦の方が、安心して出産・育児に臨んでいただくためには、職場における理解や環境整備が必要です。
 妊娠・出産・育児休暇などに関するハラスメント防止については、法改正に伴い、国や都が実施する啓発事業等に協力するとともに、産業振興事業団等と連携し、くないの事業者に対して講習会を実施するなど、普及啓発を図って参ります。

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