3月20日予算特別委員会にて総括質問を行いました。
1. 中小企業支援に対する「生産性向上特別措置法案」への対応について
新年度の税制改正大綱で、新たな固定資産税の軽減案として、「生産性向上特別措置法案」が発表され、本年5月には法案成立予定になっている。
この特例措置の採択を表明した自治体には、平成29年度補正予算の「ものづくり・サービス補助金」などの予算措置が拡充され、重点支援されることにもなっている。
そこで、区内中小企業支援として積極的に、「生産性向上特別措置法案」による対策の実現を進めるべきと考えるがどうか、区長の所見を伺う。
【区長答弁】
寺田委員のご質問にお答えいたします。
「生産性向上特別措置法案」については、今通常国会に提出され、現在審議が行われております。
この法案は、中小企業の生産性革命の実現のため、今後3年間を集中投資期間と位置付け、区市町村の認定を受けた中小企業の設備投資を支援するものです。
私は、今までも産業競争力強化法に基づく「創業支援事業計画」や、東京都産業集積活性化支援事業を活用した「ものづくりのまちネットワーク推進計画」の策定など、新たな制度や支援事業を積極的に活用し、区内中小企業の振興を図って参りました。
本法案への対応についても、固定資産税に係る都の条例改正等の動きを注視しつつ、適切かつ迅速に対応して参ります。
2. 新地方公会計の整備充実による財政健全化の推進について
次の3点について、区長の所見を伺う。
① 新地方公会計の整備充実による財務情報について、区民や議会、外部に対するわかりやすい説明、開示を進めるべきと考えるが、どうか。
② 仕訳方法については、「日々仕訳」の検討を進めるべきと考えるが、どうか。
③ 区マネジメント機能の強化や行財政改革等の推進のため、財務書類作成によるセグメント分析、行政評価等への活用を図るべきと考えるが、どうか。
【区長答弁】
新地方公会計の整備充実による財政健全化の推進についてご質問にお答えいたします。
まず、財務情報の開示についてです。
今年度導入した「統一的な基準による地方公会計制度」については、平成28年度決算の財務4表を作成し、今定例会においてご報告したところです。
「統一的な基準」では、複式簿記・発生主義会計により、資産や負債のストック情報や、現金支出を伴わないコストの把握など、現行の現金主義会計を補完するものとして、行政の説明責任や行財政マネジメント機能等の更なる向上に資するものと考えています。
本区の財務4表については、これまで「総務省方式改訂モデル」により開示しているところですが、「統一的な基準」による財務4表についても、用語説明など、わかりやすいものとなるよう工夫し、今月中に区公式ホームページにおいて公表して参ります。
今後とも、・内容の充実に努めて参ります。次に、仕訳方法についてです。
現在は、出納閉鎖後に.複式簿記への変換を行う期末一括変換を行っています。
ご質問の「日々仕訳」については、日々の会計処理において複式簿記への変換を行う場合と期末に変換を行う場合について、内容に応じ会計事務の効率性等を精査する必要があります。
その結果をもとに、今後、財務会計システム更新時の導入に向けて検討して参ります。次に、財務書類作成による行政評価等への活用についてです。
国では、統一的な基準による財務書類等の活用方法として、財政指標の設定や適切な資産管理といったマクロ的視点のものと、事業別・施設別のセグメント分析といったミクロ的視点のものを想定し、提案しているところです。
これまで区では、事務事業評価において、事務事業別コスト計算を活用し、人的・物的資源の有効活用という視点で「効率性」の評価を行ってきました。
委員ご提案の行政評価等への活用については、他自治体の活用事例等も参考にしながら、検討を進めて参ります。
3. 食品ロス削減対策の充実について
次の2点について、区長の所見を伺う。
①食品ロス削減に向けた機運が高まる中、協働事業を含めた様々な啓発を、さらに推進していく必要があると考えるが、どうか。
②様々なイベントや講習会等において、未利用となっている災害用の備蓄食料品を配布し、有効活用すべきと考えるが、どうか。
【区長答弁】
ご質問にお答えいたします。
まず、食品ロス削減対策の啓発についてです。
持続可能な社会を実現するためには、食品ロスの削減が重要です。
このため区では、食品ロス削減講座や料理教室の開催、リーフレットの配布等の啓発を行っています。
来年度は、一層の啓発を進めるため、区民が参加するワークショップをNPOと協働で実施して参ります。次に、未利用備蓄食料品の有効活用についてです。
現在区では、災害用の備蓄食料品を、賞味期限が近い順に、区主催の防災訓練で配布するほか、町会や集合住宅などで実施する防災訓練でも提供しております。
また、環境フェスタや消費生活展などのイベントにおいても、日常備蓄の必要性などを啓発しながら、配布しております。
このような取組みを通じ、今後も啓発の強化を図り、食品ロス削減をより一層推進して参ります。
4. 北部地区まちづくりについて
次の2点について、区長の所見を伺う。
①北部地区のまちづくりを進めていく上では、将来のまちづくりを担う若い力が必要である。
そこで、どのように次世代の方々を巻き込み、まちづくりの機運醸成と人材育成を進めていくのか。
②旧東京北部小包集中局跡地での既存施設の解体にあたり、他の大規模工事とは異なる手法で、よりスピーディーに進める必要がある。また、時期を逸せずオープンスペースとしての活用を発信することにより、多くの人が集まり、良い知恵や発想が生まれると考える。
そこで、解体基本計画については、区全体の活性化に繋がる本格的な活用のため、スピード感を持って進め、アピールをしていくべきと考えるが、どうか。
【区長答弁】
ご質問にお答えいたします。
まず、北部地区まちづくりに向けた次世代の方々の参画についてです。
まちづくりを進める上では、官民協働や未来を見据えた視点が必要であり、今後のまちの将来を担う方に参画していただくことが大切であると私も考えています。
昨年度実施した、旧東京北部小包集中局跡地の活用を検討する協議会では、幅広い世代の方に参加いただき、活用やまちづくりについて、有意義な意見をいただいたところです。
北部地区まちづくりの推進に向けて、来年度実施する勉強会でも、このような方々が参加しやすいよう、その手法等について検討いたします。
また、参加した方が、北部地区の将来像やビジョンを描くことができるよう、このような取組みを継続して参ります。次に、旧東京北部小包集中局跡地の解体に向けた基本計画についてです。
来年度は、既存施設の解体と施設整備を一体的に進めるための計画を策定して参ります。
策定と並行して、専門的な技術や経験に基づく助言を得ながら、設計及び工事期間を短縮するための検討を進めていきます。
さらに、基本計画の策定に合わせて、オープンスペースの整備イメージを広く発信して参ります。
また、設計や工事の進捗に応じ、委員ご指摘のとおり、時機を逸することなく必要な情報を発信し、区全体の活性化に資する本格活用に繋げて参ります。